髪が伸びたので美容院に飛び込んだ。初めてのお店。カットしてもらっていると「すごかったですね、遼クン」と話しかけられた。「ゴルフ、されるんですか?」と聞き返すと「全く興味がなかったんですが、遼クンが出てきてから、つい見るようになって…」。30歳くらいの女性美容師。「彼の、さわやかさだけでなく、前向きな姿勢が好き…ですね」
【写真で見る】 日立3ツアーズ選手権にも推薦で出場が決まった遼クン
飲み屋に行っても人々が話題にしている。石川遼のこと。前週のダンロップフェニックスで2位になった。世界ランキングが発表されて、前週の117位からジャンプアップ、世界67位にランクされた。36位の片山晋呉、5月に米ツアーで初優勝した今田竜二の62位に続き日本人3番目の評価だが、興味を持たぬ“一般ピープル”まで巻き込んだブームアップがすごい。
トーナメント会場で聞こえてきた言葉。「ホント、歩く姿勢、背筋がピントしていいわね」。声が飛ぶ。その先に必ず視線を送ってほほ笑む。一礼する。だから「礼儀正しいワ」と…。サインも「子供だけね」と断りを入れるが必ず応じる。他の男子プロがムスッとしてやるのとの違いが見られる。最近は遼の背中を見て? 気軽にファンサービスしてはいるが…。
態度だけではない。その魅力は「挑戦」であろう。たとえば、ダンロップでは332ヤードのパー4では連日、ドライバーでワンオン狙いを続けた。「戦略性を考えて」と“刻み”を勧める人も多いが、遼はロマンを選んだ。最終日最終ホールの第2打、距離を出すにはバンカーのアゴが邪魔になる。高さを出すには、「その先に張り出している幹のような松の枝が邪魔になるので、5Wでフックをかけて」(石川)バーディー。その技術吸収能力に「見るたびにうまくなってる。まるでスポンジのようだね」と解説をしていた青木功プロの言葉が象徴している。
確かにゴルフにはまだ粗い部分がある。データでもフェアウエーキープ率は51・13%で69位、パーキープ率も80・63%の53位と低迷するが、常に前を向くアグレッシブさが魅力であろう。バーディー率(1ラウンドの平均数)は3・87個、B・ジョーンズの4・05個に次いで2位。パーブレーク率(バーディーかそれより良いスコアを獲得する)も21・51%で2位。“何かを起こす魅力”が存在する気がする。
この記事へのコメント一覧